ドローンを飛行させるには国土交通省が提供するドローン情報基盤システム(DIPS)の利用が必要です。
最近、このDIPSが機能強化のため更新され、新しい申請方式が導入されました。
本記事では、ドローンDIPS更新に関する最新の動向を整理し、飛行許可更新や操縦者情報登録更新の手順・注意点を専門的に解説します。DIPSを活用してドローン関連手続きをスムーズに進める方法を詳しく紹介し、読者が安心して手続きできる情報を提供します。
目次
ドローン DIPS 更新とは?ポイントを解説
ドローン情報基盤システム(DIPS)は、ドローンの飛行許可申請や機体登録、飛行計画通報などをオンラインで行える国土交通省の公式システムです。100g以上のドローンで目視外飛行や夜間飛行など特別な飛行許可が必要な場合、DIPSを通じて申請します。2022年末からは機体認証や技能証明にも対応した新システム「DIPS2.0」が稼働しています。
「更新」とは、既に取得した許可や登録の期間を延長・継続する手続きのことです。DIPSの文脈では、例えば既存の飛行許可証の有効期限が迫った際に新たな飛行日程で申請し直す「更新申請」や、DIPS2.0移行に伴い操縦者情報を改めて登録・更新する作業を指します。まずはDIPSの基本を押さえ、どのようなケースで更新手続きが必要になるかを確認しましょう。
DIPSの概要と機能
DIPS(ドローン情報基盤システム)では主に以下のような手続きがオンラインで完結できます。
- 機体登録機能:無人航空機の所有者情報、機体情報、使用者情報を登録します。100g以上のドローンは事前登録が義務付けられています。
- 飛行許可・承認申請機能:目視外飛行や夜間飛行、人口集中地区での飛行など、規制対象となる空域・方法での飛行に必要な許可・承認を申請します。
- 飛行計画通報機能:無人航空機の飛行予定を登録し、周囲の飛行予定を事前に確認できます。他の航空機との接触事故防止に役立ちます。
- 事故報告機能:飛行中に発生した事故やトラブルをDIPS上で報告・編集・照会できます。
更新申請とは何か
DIPSにおける「更新申請」とは、有効期限内の飛行許可などを期間延長や飛行日時変更で継続するための手続きです。具体的には、既存の許可・承認が終了間際になった際、新たな飛行計画日程で申請をし直すことで許可証を更新します。一般には許可・承認の終了日の2ヶ月前から申請が可能ですが、期限切れ前に申請を完了させる必要があります。
新DIPS2.0への移行と影響
DIPS2.0への移行により、旧来のDIPS、DRS、FISSを1つのアカウントで利用できるようになりました。これまでは機体登録と飛行許可申請などで別々の入力が必要でしたが、新システムでは一度入力した情報を相互に利用できるようになり、手続きが簡便化されています。以下の表に、旧システムと新DIPS2.0の主な違いをまとめます。
| 比較項目 | 従来のシステム | DIPS2.0 |
|---|---|---|
| アカウント管理 | DRS・FISS・旧DIPSで別々 | 1つのアカウントで一括管理 |
| 機体登録 | DRSで別途申請・管理 | DIPS2.0内で登録・管理 |
| 飛行許可申請 | 旧DIPSで個別申請 | DIPS2.0で簡素化して申請 |
| 飛行計画通報 | FISSで別途登録 | DIPS2.0で一元通報 |
このように旧システムでは手続ごとに異なるサイトやアカウントが必要でしたが、新DIPS2.0では一元化されています。
機体情報の入力やアカウント作成の手間が省かれ、更新申請時の再入力ミスも減少します。以降は、新しいDIPS2.0環境での申請・更新手続きについて解説していきます。
DIPS更新でドローン飛行許可を確実に得る方法

DIPSを活用すると、飛行許可・承認を継続的に取得するための更新申請ができます。
例えば、ドローンの飛行許可が期限切れになる前に「更新申請」を行うことで、新たな飛行日時で許可を延長できます。以下では、更新申請に必要な条件や具体的な手順を解説します。
更新申請の対象と申請時期
更新申請は既に許可承認を受けている飛行を継続・日程変更する際に必要です。
一般的には、現在有効な許可期限の2ヶ月前から申請が可能となります。ドローンの機体登録が未完了の場合は更新申請できないため、まず機体番号の取得など事前登録が必要です。
更新申請の手続きステップ
- 許可証情報の準備:現在取得している飛行許可承認の申請IDや有効期限などを確認します。
- 新規申請書の作成:DIPS2.0にログインし、「有効期間の更新」から新しい申請書を作成します。
- 申請内容の入力:新しい飛行日程や場所など必要事項を入力します。機体情報や操縦者情報は既に登録済みのものを選択できます。
- 申請書の送信と手数料納付:入力内容を確認して申請書を送信します。国からの案内メールに従い、オンラインで更新手数料を納付します。
- 審査結果の確認:申請後はDIPS上の「申請状況一覧」で審査状況を確認します。審査終了後に更新許可書が発行されます。
更新申請時の注意点と条件
更新申請する際は、必ず有効期限内に手続きを完了してください。期限を過ぎてしまうと許可が失効し新規申請となります。
また、許可申請に必要な機体登録番号や操縦者情報に変更があった場合は事前にDIPSで更新しておく必要があります。例えば、飛ばす機体を変更したり操縦者を追加したりする際は、申請前に登録情報を修正してください。
DIPSで操縦者情報を更新する手順

DIPS2.0移行後、操縦者情報(技能証明の適合性情報)の登録方法が変更されました。従来は申請の都度、基本・追加基準への適合性を入力していましたが、新システムでは一括登録・更新が可能です。
このH2では、DIPS上で操縦者情報を更新する手順を詳しく解説します。
操縦者情報更新の背景と目的
改正された審査要領では、操縦者の適合性確認手続きを簡易化するため、DIPS2.0での操縦者情報更新を推奨しています。これにより、飛行許可申請のたびに繰り返し情報入力する手間が省け、複数の申請を行う際にもスムーズに進められます。国土交通省からも更新の案内が出ており、全ユーザーに操縦者情報の最新化が求められています。
DIPSでの操縦者情報更新手順
- DIPS2.0にログイン後、「操作設定メニュー」から「操縦者情報の登録・変更」画面を開きます。
- 更新する操縦者を選択し、基本基準・追加基準の適合状況など必要事項を入力します。
- 入力内容を確認して保存し、更新操作を完了します。
- 以降の飛行許可申請では、登録済みの操縦者情報が自動反映され、入力が省略されます。
更新後の注意点
操縦者情報を更新したら、申請内容に反映されているか必ず確認しましょう。特に以前のデータが残っていないか、必要な基準適合情報が正しく入力されているかをチェックしてください。
更新作業中に操作を中断した場合は再度入力が必要になることがあるので、時間に余裕を持って手続きを行いましょう。
DIPSシステムメンテナンスの最新情報
DIPSでは定期的なシステムメンテナンスが行われています。特に新DIPS2.0への移行時や申請書式変更に伴い、システム停止となる場合があります。
ここでは、最新のメンテナンス予定や停止中の注意事項について説明します。
最新メンテナンススケジュール
国土交通省公式サイトではシステムメンテナンスの予定情報が公開されています。例えば、2025年3月には審査要領改正に伴うシステム改修が行われ、この期間は飛行許可・承認申請や変更・更新申請が停止されました。
最新情報はDIPSサイトのお知らせ欄で随時更新されるので、利用前に確認をおすすめします。
メンテナンス時の影響と対策
メンテナンス中はDIPSにアクセスできないため、当日の申請・通報タイミングに注意が必要です。例えば、飛行当日の計画通報はできないので、余裕を持って事前に手続きを済ませるよう計画しましょう。
また、メンテナンス直前に申請を行うとエラーになる可能性があるため、余裕を持った申請を心がけてください。
偽メールに注意
DIPS関連の偽メールにも注意が必要です。国土交通省からは「DIPS2.0」をかたる偽装メールに関する注意喚起が出されています。不審なメールに記載のURLをクリックしたり、個人情報を入力しないようにしましょう。
公式な通知はDIPSサイト上で発信されるため、安全性に不安があれば公式情報で確認し、怪しいメールは削除してください。
DIPSでドローン資格更新を行う方法

ドローン操縦者の国家資格(技能証明)には3年の有効期限があり、期限が近づくと更新手続きが必要です。更新手続きでは登録更新講習機関での学科・実技講習受講などが条件ですが、最終的にはDIPS2.0で更新申請を行います。
ここでは、ドローン資格更新に必要な講習とDIPS上での申請ステップを詳しく解説します。
ドローン資格更新の要件
- 登録更新講習機関で学科講習の受講(最新の法規制・安全知識を学習)
- 実地講習・修了演習の受講(操縦スキルの再確認)
- 規定の身体適性検査(運転免許証などでの代替可)
DIPSでの更新申請手順
講習を受講し修了証を取得したら、DIPS2.0にログインして「技能証明メニュー」から「有効期間の更新」を選択します。画面の案内に従い、必要事項(技能証明番号や個人情報、新旧有効期間など)を入力して申請を完了させましょう。
入力内容を確認し、申請送信後に到達確認メールを必ず受信・完了させることがポイントです。
手数料納付と手続き完了
更新申請を行った後、国土交通省から手数料納付依頼のメールが届きます。メールの指示に従いオンライン(クレジットカードやPay-easy)で更新手数料を支払いましょう。
納付が確認されると、新しい技能証明書が発行されます。申請状況はDIPSの「申請状況一覧」でいつでも確認できます。
まとめ
DIPSの最新アップデートでは申請手続きの簡素化が進み、ドローン許可申請の更新もオンラインで一元化されました。
飛行許可更新時は期限内に申請し、必要情報(機体登録番号や操縦者情報)の更新を忘れないよう注意が必要です。また、DIPSシステムメンテナンスや偽メールにも気を付け、常に公式情報で最新状況を確認しましょう。今回解説した手順を参考に、DIPSを活用して安全かつスムーズにドローンの飛行許可・資格更新手続きを進めてください。