ドローンを安全かつ合法的に飛行させるためには、登録記号の表示が必須となっています。
しかし、「どこに貼るのが正しいの?」「表示サイズはどう決める?」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか?
本記事では、ドローン登録記号の基礎知識から具体的な表示方法、よくあるトラブルまで網羅的に解説。
初心者から上級者まで、ドローン所有者が必ず知っておきたい情報を分かりやすくまとめています。
目次
ドローン登録記号の表示に関する基礎知識
ドローンとは?その基本概念と利用範囲
ドローンとは、遠隔操作または自動制御によって飛行する無人航空機のことを指します。
カメラ撮影、測量、農業、防災、物流など、多岐にわたる分野で利用が急速に進んでいます。
また、趣味での空撮やレースなど、個人のレジャー用途にも広がりを見せています。
- 空撮や映像制作
- 農薬散布や農業管理
- 設備点検や測量
- 物流・配送
- 防災・救助活動
- 趣味・レクリエーション
特に近年は産業用途が増加し、業務利用者だけでなく一般ユーザーも安全に利用するためのルール整備が進められています。
登録記号とは何か?必要性と役割を解説
ドローンには、他の航空機同様に「登録記号」が割り当てられます。
この登録記号は「ドローン固有の番号」となり、飛行中の本人確認やトラブル発生時の追跡、法令遵守を目的として表示が義務付けられています。
- 所有者情報の明確化
- 違反やトラブル発生時の迅速な特定
- 安全な空の利用維持
登録記号をきちんと表示していない場合、法律違反となり罰則の対象になることもあるため、必ず適切に管理しましょう。
無人航空機制度の概要と登録が必要な理由
2022年6月より、航空法の改正に伴い無人航空機(ドローン)の登録が義務化されました。
主な理由は、安全管理の徹底・万一の事故時の責任所在明確化・悪用防止などです。
登録が必要なドローン | 登録が不要なドローン |
---|---|
200g以上の機体を使用 屋外での飛行目的 |
200g未満の機体(トイドローン) 屋内専用の飛行 |
無人航空機制度では、
- 機体の登録・登録記号の表示
- リモートIDの搭載(一部例外あり)
- 飛行ルールの遵守
がオーナーの義務となっています。
法律の進化と共に、ドローン所有者にはますます高い意識と法令順守が求められています。
安全かつ合法的に楽しむために「登録記号の表示」の重要性をしっかり理解しましょう。
ドローンの登録記号の表示方法
登録記号の表示が義務付けられるルールとその背景
ドローンの登録記号の表示は、2022年6月の航空法改正によって義務化されました。
この背景には、ドローンの利用が急速に広まる中、安全とトレーサビリティ(追跡可能性)を高める必要があったためです。
事故やトラブル発生時には、登録記号を基に所有者を即座に特定し、適切に対処できる体制が求められています。
- 200g以上のドローンは登録記号の表示が原則必須
- 表示がない場合、航空法違反に問われるリスクあり
- 安心・安全な運用のために義務を守ることが重要
登録記号を表示するための適切なサイズと位置
登録記号の表示は、視認性と判読性が非常に重要です。
国土交通省のガイドラインに則り、「離れた位置からでも容易に確認できること」が求められています。
項目 | 基準 |
---|---|
文字の大きさ | 高さ3mm以上(推奨5mm以上) |
色 | 機体色と明瞭に区別できる色(黒地に白、白地に黒など) |
表示方法 | 消えにくく、剥がれにくい方法(シールやテプラ、印刷等) | 視認性 | 通常の点検で容易に確認できる位置 |
実際の表示方法:シールやテプラの活用法
登録記号の表示は、多くの人がシールやテプラ(ラベルライター)を活用しています。
市販のラベルシールを使用する場合は、耐水性・対候性の高いものを選びましょう。
- ラベルプリンタやテプラで、登録記号を印字
- 耐水・耐候ラベルを使用
- 明瞭な色と十分な大きさで印刷
- 貼付前に、貼る場所の汚れや油分を除去する
登録記号を表示する場所:機体のどこに貼るべきか
登録記号は「飛行前の点検時に容易に確認できる場所」に表示する必要があります。
機体の形状や設計によって最適な位置は異なりますが、基本的には次のような場所がおすすめです。
- 機体上面の平らな部分(バッテリーケース上部など)
- メインボディ側面
- 機体下部(着陸脚部や重心から外れない位置)
- プロペラや可動部など、発熱・圧力のかかる部位は避けましょう
- 万一剥がれても二重貼付や他の位置にも貼ると安心
- 運用マニュアルやガイドラインもあわせて確認を
ドローン登録番号の確認方法
ドローン登録番号の検索手順
登録記号(登録番号)は、ドローン登録システム(DIPS)で簡単に確認できます。
- ドローン情報基盤システム(DIPS)の公式サイトへアクセス
- マイページにログイン
- 登録済みの機体情報一覧から登録番号を確認
お手持ちの登録証や、登録完了時に送付されたメールからも確認可能です。
万が一番号がわからなくなった場合は、DIPSのサポートに問い合わせましょう。
コンビニでの登録番号シールの入手方法
登録番号のシールは、自作だけでなく「コンビニ印刷」も可能です。
全国の大手コンビニ(ローソン、ファミリーマートなど)では、マルチコピー機のネットプリント機能を活用し、登録番号入りラベルを印刷できます。
- 事前にデータ(PDFやJPEG形式)をスマートフォンやUSBで用意
- 対象コンビニのマルチコピー機でファイルを選択
- 耐水・耐候ラベルや、タックシール用紙に印刷
- その場でカットして、すぐに貼付可能
コンビニを活用すれば、コストパフォーマンスも高く、短時間で見やすい登録記号を取得できるため、ぜひ活用してみてください。
リモートID制度の理解と関連性
リモートIDとは?その機能とドローンへの影響
リモートIDとは、ドローンの位置情報や登録情報を無線でリアルタイムに発信し、周辺の関係者や管理機関が識別できる仕組みです。
このシステムの導入により、飛行中の機体の所有者や登録情報を即座に確認できるようになり、安全性やセキュリティがさらに強化されました。
- 飛行中のドローンの登録番号、位置情報、速度などを自動発信
- 空域管理者や一般市民が、スマートフォン等で機体情報を容易に取得可能
- 万が一の事故やトラブルの際、迅速な所有者特定や状況把握が可能
リモートIDの導入によって、登録記号の物理表示と合わせてデジタルな追跡体制が整うことで、より安全でクリーンな空のインフラ確立が期待されています。
リモートIDが必要なケースと登録手続きの流れ
リモートIDの搭載が義務付けられるのは、主に「200g以上のドローンを屋外で飛行させる場合」です。
ただし、特定の条件(目視内・係留飛行・総重量100g未満のトイドローン等)では例外も認められています。
リモートID搭載が必要なケース | 免除される主なケース |
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リモートID搭載機体の登録手続きは以下の流れです。
- DIPS(ドローン情報基盤システム)にアクセス
- リモートID搭載機器の情報を入力
- 必要書類・証明書類をアップロード
- 審査後、機体登録完了&リモートID認証
メーカーによる対応状況も確認しておきましょう。
ドローン所有者が知っておくべき義務と責任
所有者が遵守すべき安全規則とは?
ドローン所有者には、航空法を中心とした各種法律に基づき、安全を確保する義務があります。
主な安全規則は以下の通りです。
- 人や建物から30m以上離れて飛行する
- 飛行可能な空域・条件(高度150m未満、空港周辺などは原則禁止)を遵守する
- 夜間飛行や目視外飛行は原則禁止(例外には申請が必要)
- 飲酒・薬物摂取状態での操縦禁止
- 国土交通大臣の許可・承認が必要な条件(物件投下、人混み上空など)を理解する
航空法違反があった場合、機体没収や罰金、刑事責任が問われるケースもあります。
知らなかったでは済まされないため、常に最新の法制度をチェックしましょう。
事故を未然に防ぐための知識と準備
事故・トラブルを防ぐには、ルール遵守だけでなく日常の点検や準備が欠かせません。
- 必ず離陸前にバッテリー残量・機体各部の異常チェックをする
- GPS・ファームウェアアップデートの有無を確認
- 操縦技術と最新の規制動向を常に学ぶ
- 保険加入を検討し、万一に備える
- 周辺住民や利用者への事前説明・安全周知
実際の登録手続きと必要書類
ドローン登録の申請手続きと流れ
ドローンの登録は、主に「ドローン情報基盤システム(DIPS)」を通じてオンラインで行います。
手続きの流れは以下のとおりです。
- DIPSサイトにアクセスし、アカウント作成・ログイン
- 「無人航空機登録」の項目から新規登録申請を選択
- 機体情報(メーカー名、型式、シリアル番号など)を入力
- 必要書類をアップロード(身分証明書等)
- 申請内容の確認と、登録手数料の支払い
- 国土交通省による審査、承認
- 登録記号(登録番号)の発行・通知
入力ミスや書類の不足は申請手続きの遅延につながります。
必ずチェックリストを活用しましょう。
必要書類の準備とよくある問題
登録申請には以下の書類やデータが必要となります。
手続きがスムーズに進むよう、事前に確認しましょう。
- 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカード等)
- 機体のシリアル番号および機種情報
- 申請者本人の顔写真(ケースによる)
- 登録手数料(クレジットカード払い・コンビニ決済等)
よくある問題 | 解決策 |
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身分証写真の不鮮明・期限切れ | 再提出案内が来た場合は、鮮明な画像で再アップロード |
機体シリアル番号の記載ミス | 送付前に現物と再確認 |
誤った情報入力 | 申請画面の最終確認を怠らない |
自治体やメーカーから独自に指示がある場合は、その内容も必ず確認してください。
よくある質問(FAQ)
ドローン登録が免除されるケースとは?
すべてのドローンに登録義務があるわけではありません。
以下は代表的な免除ケースです。
- 機体総重量が100g未満のドローン(例:トイドローン)
- 完全に屋内のみで使用する場合
- 係留(ロープ等で完全固定)された運用
登録免除の具体例 | 備考 |
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屋内撮影用の小型ドローン | 屋外へ持ち出す場合は登録が必要 |
係留して飛行する場合 | 安全管理基準も要確認 |
Mavicシリーズでの登録の特別注意点
人気の高いDJI社「Mavic」シリーズは、ほとんどの製品が200g以上で登録対象です。
特に注意が必要なポイントは以下のとおりです。
- 機種によりリモートID内蔵か外付けかが異なるため事前確認
- シリアル番号や製品型番の桁数が製品ごとに違うため丁寧に記入
- ファームウェア更新でリモートID機能対応する場合もある
- アクセサリー装着時の重量増加で登録対象外から対象になることも
Mavic Miniのような200g未満モデルを、バッテリーやプロペラガード装着で総重量が200gを超える場合も登録・表示が必要となります。
DJI公式サイトや説明書を必ずチェックしましょう。