100g未満の小型ドローンは航空法の規制対象外で、手軽に空撮や飛行練習が楽しめるカテゴリーです。特にFPV(First Person View)飛行と組み合わせることで、本格的な飛行体験や臨場感のある映像撮影が可能になります。この章では、100g未満FPVドローンの基礎知識と魅力的な特徴についてわかりやすく解説します。
目次
ドローン100g未満FPVの魅力と特徴
100g未満のドローンは航空法の規制対象外のため、初心者でも気軽に飛ばせる軽量機種です。海外旅行やアウトドアにも持ち運びやすく、子供でも安全に遊べるメリットがあります。特にFPV(一人称視点)機能を備えた機体なら、まるで空を飛んでいるような迫力ある映像体験も可能です。この節ではまず100g未満ドローンとFPV飛行の基本を解説し、その魅力を紹介します。
100g未満ドローンの利点
100g未満のドローンは航空法の規制対象外のため、機体登録や飛行許可が不要で気軽に始められます。DJI製のTello(約80g)などは登録不要で屋外飛行が可能で、販売実績も豊富な人気機種です。また軽量機の恩恵として、持ち運びの利便性が高い点も見逃せません。予備バッテリーを含んでもかさばらず、旅行先や公園など好きな場所で飛行練習ができます。
さらに、小型機はプロペラやモーターが小さく衝突による損傷リスクが低いため、安心して練習できます。価格も比較的手頃な機種が多く、初心者や子供向けの入門機として最適です。
FPV飛行とは
FPVはFirst Person View(ファーストパーソンビュー)の略称で、ドローンに搭載したカメラ映像をリアルタイムでゴーグルやモニターに送信しながら操縦する方法です。自分がドローンに乗っているような没入感を得られるため、レースや撮影で高い臨場感が楽しめます。
一般的なFPVシステムでは5.8GHz帯の映像送信機(VTX)と専用ゴーグルを使用します。スマホ連携型のFPV(Wi-Fi経由、例:Tello)もあり、その場合はスマホ画面で映像を見ます。スマホ型FPVは導入が簡単ですが、遅延がやや大きいのが特徴です。
小型FPVドローンの特徴
100g未満のFPVドローンは超小型フレームと小型モーターを採用しており、機体が非常にコンパクトです。飛行時間は数分程度と短めですが、狭い室内や公園での飛行に適しています。重量が軽いため落下時の衝撃も小さく、安全性が高い点も特徴です。
一方で、搭載できるカメラ解像度やセンサー機能は限られます。風の強い屋外では安定性が落ちやすく、高度維持センサーが無い機体も多いので留意が必要です。また、FPV映像の遅延や画質にも限界があり、あくまでお手軽に楽しむ範囲であることを理解しておきましょう。
100g未満ドローンのメリット・デメリット

100g未満ドローンのメリット・デメリットを整理しましょう。軽量機ならではのメリットと理解しておきたいデメリットの両面を知ることで、安全かつ効果的に楽しむことができます。
メリット
軽量な100g未満ドローンの最大のメリットは航空法の適用外であることです。機体登録や飛行許可が不要なので手続き無しで飛行を始められます。持ち運びの手間が減るため、旅行先やアウトドアでも気軽に飛行シーンを楽しめます。価格も比較的手頃なモデルが多く、初心者や子供の入門機として最適です。
軽量機はプロペラやモーターが小さいため、万一衝突しても落下によるダメージは抑えられます。また最新機種には高度維持やワンキー離着陸などの安全機能が搭載されており、操作ミスがあっても安心です。
デメリット
一方で、小型機ならではのデメリットもあります。バッテリー容量が小さいため飛行時間は数分程度と短く、長時間飛行には向きません。また風の強い屋外では機体が流されやすく安定性が低下する点に注意が必要です。高性能カメラの搭載余地も少ないため、4K撮影などは基本的に不可能です。
コスト面では、100g未満機は安価ですが性能も控えめです。長時間飛行やプロフェッショナルな空撮、障害物回避センサーなどは搭載されないため、本格的な高機能が必要な場合は上位機種の検討が必要です。
100g未満ドローンの最新規制と法的注意点

次に、100g未満ドローンを飛ばす際の法規制や注意点を確認します。航空法の最新動向とFPV飛行に関連する無線のルールを知って、安全にドローンを楽しみましょう。
航空法:100g未満ドローンの扱い
日本では2022年6月以降、機体重量100g以上のドローンが航空法規制の対象となりました。これにより100g未満の機体は登録や飛行申請が免除されています。ただし、人口集中地区(DID)や空港周辺など、従来通りの飛行禁止エリアルールは適用されます。夜間やイベント上空での飛行、目視外飛行は引き続き許可が必要ですので、飛行場所や時間には十分注意しましょう。
100g未満ドローンは航空法上の免除メリットが大きいですが、公園や住宅地周辺では他の人に迷惑をかけないよう配慮が求められます。許可が不要でも基本的なマナーと法令順守は守り、安全飛行に努めましょう。
電波法とFPV飛行
FPV飛行をする際は電波法の規制も重要です。市販のドローンは2.4GHz帯や5GHz帯(Wi-Fi)で通信する機種が多く、技術基準適合証明(技適マーク)取得機なら一般的に免許不要で利用できます。しかし、FPVゴーグル用の5.8GHz帯アナログ映像伝送は無線局免許が必要です。5.8GHz帯のVTX(映像送信機)を使用するにはアマチュア無線技士資格(第4級以上)と無線局の開局届出が求められます。
5.8GHz帯のデジタル映像伝送(たとえばDJI O3など)も同様に無線局免許が必要です。免許不要の2.4GHz-Wi-FiFPV(例:DJI Telloなどスマホ連携機)であれば別途資格は不要なので、免許取得前はこれらを活用するのが安心です。
技適マークについて
国内で販売されている市販ドローンには、送信機や機体Wi-Fiに技適マークが付与されています。正規品であれば技術基準適合証明済ですので安心ですが、海外製品や自作ドローンの場合は技適未取得のリスクがあります。技適マークの無い無線機器を国内で使うと電波法違反になるため注意してください。
一般に、大手メーカーの国内正規品であれば技適取得済みです。海外通販で100g未満のFPV機材を買うときは、必ず技適対応か確認しましょう。特に送信機やカメラが2.4/5GHz帯のWi-Fiを使用する場合、技適マークの有無をチェックすることが重要です。
100g未満FPVドローンの選び方
ここでは、100g未満FPVドローンの選び方を解説します。機体の特徴を比較しながら、用途に応じた選定ポイントを押さえていきましょう。
- 映像伝送方式:スマホ連携FPVかゴーグル型FPV(5.8GHz)を選ぶ
- カメラ解像度・視野角:用途に合わせて720p~高精細タイプ
- 飛行時間(バッテリー容量):長時間飛行なら交換式バッテリー対応機
- 安定化機能:高度維持やホバリング機能の有無
- 安全装備:プロペラガードや緊急停止機能の装備
カメラ性能と送信方式
選ぶ際はカメラ性能とFPV伝送方式をまず確認しましょう。カメラ解像度はモデルによって異なり、720pから2.7K以上まで幅があります。静止画や動画撮影を重視するなら高解像度カメラ搭載機を選びます。
FPVにはスマホ連携型(機体Wi-Fiでカメラ映像をスマホに転送)とゴーグル型(5.8GHz帯ゴーグルで直接視聴)の方式があります。スマホFPVは手軽に始められますが映像遅延や通信距離に制限が出やすいのが特徴です。本格的にFPVを楽しみたいなら、専用ゴーグルと5.8GHz送信機を搭載した機種がおすすめです。
飛行時間・安定性のチェック
小型機はバッテリー容量が限られるため、飛行時間は8~10分程度と短めです。長時間飛行を希望する場合は、大容量バッテリー対応の機種や交換式バッテリー搭載機を選びましょう。予備バッテリーが購入できるモデルも便利です。
また、安全に飛ばすために高度維持機能(ホバリング機能)や自動着陸機能があるかも重要です。これらがあれば初心者でも安定した飛行が可能になるため、機体選びで注目したいポイントです。
用途に合った機種の選び方
用途別に選ぶとさらに満足度が高くなります。室内専用や練習用なら、スピード控えめでプロペラガード付きの小型機が安心です。屋外の空撮目的なら耐風性の高いフレームと高画質カメラ搭載機を選びましょう。FPVレース用には軽量で高速機動が可能なレーシングフレームモデルがおすすめです。また購入前には実際の使用レビューや操作感を参考にし、自分に合う一機を見極めるのも大切です。
おすすめの100g未満FPVドローン機種

最後に、100g未満FPVドローンの注目機種をご紹介します。主な性能や特徴をまとめた表で比較し、用途に合わせたおすすめモデルをチェックしましょう。
まず、代表的な100g未満FPVドローンを表にまとめました。初心者向けやFPV専用のモデルまで、それぞれの特徴を比較してみてください。
主要機種の比較
| 機種 | 重量 | 特徴・用途 |
|---|---|---|
| DJI Tello(Ryze Tech) | 約80g | 720pカメラ内蔵、スマホFPV 安定性◎・初心者に人気 |
| HOVERAir X1 Smart | 約99g | 2.7K高画質カメラ搭載 スマホ操作&追尾機能つき |
| BetaFPV Cetus FPV Kit | 約40g | FPV専用ドローンとゴーグルセット FPV練習に最適、本格入門機 |
| Emax TinyHawk III | 約65g | レーシング向け軽量フレーム 高速機動が可能 |
上の表に挙げた機種は一例です。購入時は機能や保証内容をしっかり確認し、技適対応や修理サポートがある正規品を選ぶことも重要です。用途や予算に合った一台を選んで、安全にドローンを楽しんでください。
まとめ
100g未満のFPVドローンは法律手続きを気にせず気軽に楽しめる点が最大の魅力です。初心者や子供向けの扱いやすい機体が多く、空撮や操縦練習に向いています。一方で、飛行時間が短いことや風に弱い点には留意が必要です。FPV飛行時は5.8GHz帯の電波法規制も関わるため、必要な無線免許や技適マークの確認を忘れないようにしましょう。用途に合った1台を選べば、100g未満ドローンならではの自由で臨場感ある空中体験が存分に楽しめます。