ドローン自作に興味はありませんか。この記事では、初心者でも分かるように必要なパーツや工具、組み立て手順を丁寧に解説します。
さらに、飛行制御の設定や法規制など重要なポイントまでカバーしています。
初心者向けキットの選び方や安全に飛行させるコツも紹介。
最後まで読めば、自作ドローンを安心して製作・飛行させるための方法がわかります。
目次
ドローンの作り方入門: 基本パーツと準備
ドローンを自作する際には、まず必要な部品や工具を揃えることが重要です。一般的なマルチコプター型ドローンの基本パーツとして、フレーム、モーター、ESC、フライトコントローラー、バッテリー、プロペラ、送受信機などがあります。これらを用意し、組み立てに備えます。次に、組み立ての前にドローンの仕組みを理解しておきましょう。
ドローン制作に必要な主要パーツ
ドローンを作るには、以下のような基本パーツが必要です。各パーツの名称と役割をチェックしましょう。
- フレーム:ドローンの骨格となる構造体。カーボンファイバー製の軽量フレームが主流です。
- モーター:プロペラを回転させる部品。ドローンの推力を生み出します。
- ESC(電子速度コントローラー):モーターに送る電力を制御する部品です。
- フライトコントローラー:ドローンの頭脳にあたる制御基板で、姿勢制御やセンサー情報の演算を行います。
- バッテリー:ドローンに電力を供給するリチウムポリマー(LiPo)バッテリーが一般的です。
- プロペラ:モーターに取り付ける回転翼です。サイズや枚数、形状により飛行性能が変わります。
- 受信機・送信機:送信機(プロポ)が操縦者の操作信号を発信し、受信機が機体側でその信号を受け取ります。
- (オプション)カメラ・映像伝送機(VTX):FPV(一人称視点)飛行をする場合に必要となります。
これらのパーツそれぞれの選び方については、後ほど詳しく解説していきます。まずは準備すべきものを把握しましょう。
必要な工具と材料
組み立てには以下のような工具が必要です。あらかじめ用意しておくとスムーズに作業できます。
- プラスドライバー・六角レンチ:モーターやフレームのネジを締めるため。
- 半田ごてと半田:配線を接続するために必要です。
- 電線(ケーブル)やコネクタ:電子部品同士をつなぐケーブル類。
- 熱収縮チューブ:はんだ付け部位の絶縁保護に使用します。
- タイラップ:配線の固定やフレームの補強に役立ちます。
- その他(ペンチ、ニッパー、圧着工具など):細かな作業用具としてあると便利です。
キットとパーツ自作の違い
ドローンの自作には、市販キットの組み立てと、部品を個別に集める方法があります。それぞれの特徴を比較して、自分に合った方法を選びましょう。
比較項目 | キットを購入 | パーツから自作 |
---|---|---|
組み立ての難易度 | 説明書付きで比較的簡単 (初心者向け) |
部品選定から行うため難易度が高い (知識が必要) |
コスト | 一式セットで手頃な価格 | 部品を個別購入するためやや高くなる |
カスタマイズ性 | 限定的(仕様が固定されている) | 自由度が高い(パーツ交換や追加が可能) |
知識・学び | 基礎知識の習得に限られる | 部品ごとの特性など深く学べる |
自作キットは手軽さとコスト面で優れますが、部品を選ぶ方法ではより柔軟な設計が可能です。それぞれのメリットを考慮して、自分に合った方法を選びましょう。
ドローン自作の基礎知識: 飛行原理と構造

ドローンを自作する前に、空を飛ぶ仕組みと機体構造について基本的な知識を固めておきましょう。一般的なマルチコプター型ドローンは、複数のプロペラを利用して推力と姿勢制御を行います。各モーターが回転することで生じる反作用により機体が浮き上がり、回転数を変えることで前後左右・上下に動く原理です。
ドローンには四脚(クアッドコプター)をはじめ、六脚、八脚など様々なタイプがあります。構造は異なりますが、基本的な原理は同じです。機体の設計ではフレームの形状やプロペラの配置、各部品の重量配分が重要で、これらが飛行性能に大きく影響します。
主要パーツの選定時は、各部品が相互に適合するかを確認しましょう。たとえば、プロペラの大きさや形状によって必要となるモーターの推力は変わります。大きなプロペラを使う場合はより高出力のモーターとバッテリーが必要になり、機体の重量に対応できるよう設計を考慮してください。
ステップ別ドローン組み立て手順

準備した部品が揃ったら、いよいよ組み立てを始めます。ここでは基本的な手順を順番に説明していきます。
モーターとESCの取り付け
まず、モーターをフレームに取り付けます。各モーターはフレームアームの先端に配置し、ネジでしっかり固定します。次に、プロペラの向き(時計回りか反時計回りか)を確認し、それぞれのモーターに取り付けましょう。
- モーターをフレームにネジで固定します。
- モーターの回転方向に合わせてプロペラを取り付けます(CW/CCWを間違えないよう注意)。
- ESCをフレームに両面テープやタイラップなどで固定します。
- モーターのリード線をESCに半田付けし、配線を結束バンドなどでまとめます。
フライトコントローラーの取付と配線
次にフライトコントローラー(FC)を機体中央に取り付けます。多くのフレームにはFCマウント用のスペースがあり、防振スポンジやゴムマウントを使ってネジ止めします。固定位置は重心位置に近い中央付近が理想です。
FCに各ESCやジャイロなどの配線を接続します。ESCはFCのモーター端子に差し込み、電源用にはパワーモジュールやESCの電源線からバッテリーを接続します。さらに、受信機はFC上の受信機入力に接続し、受信チャンネルのマッピングを確認しておきます。
受信機と送信機の設定
送信機(プロポ)と受信機をバインド(ペアリング)します。送信機の電源を入れ、受信機をバインドモードにして両者を登録します。このとき、送信機側と受信機側のチャネル一致を確認してください。
設定後は、送信機の各スティック操作が受信機経由でFCに正しく伝わっているか確認します。FCの設定画面やLEDインジケーターで信号受信を確認し、スティックのアップ/ダウン、左右操作が対応しているかチェックしましょう。
バッテリーとプロペラの取り付け
最後にバッテリーとプロペラを取り付けます。機体のバッテリーベイにバッテリーを搭載し、付属のストラップで固定します。バッテリーは重心位置付近でしっかり固定すると安定した飛行が得られます。
プロペラは必ずモーターの回転方向に合わせて取り付け、ネジでしっかり固定します。取り付け後はプロペラを軽く手で回し、バランスやガタつきがないかを確認してください。
飛行制御のプログラミングとテスト
組み立てが終わったら、飛行前にフライトコントローラーの設定とテストを行います。
フライトコントローラーの初期設定
まず、フライトコントローラーとパソコン(またはスマホ)を接続し、専用ソフトウェア(例:Betaflight)で初期設定を行います。機体のフレームサイズやモーター配置、受信機のチャンネル割り当てを正しく設定しましょう。
また、加速度計やコンパスのキャリブレーションも必ず実施します。機体を水平な状態に置いてキャリブレーションを行うと、飛行中の姿勢制御精度が向上します。
初回テスト飛行前の確認事項
組み立てが完了したら、実際に飛ばす前に以下の点を確認します。
- プロペラを取り付けたままではなく、必ずプロペラを外してテストを行います。
- 送信機のスロットルを最低まで下げ、バッテリーを接続して各モーターやセンサーが正常に動作するか確認します。
- 各モーターを低出力で回して、正しい方向に回転しているか確認します。
- 以上が確認できたら、安全な広い場所でテスト飛行を行います。最初は低い高度でホバリングさせ、姿勢制御が安定しているか慎重にチェックしましょう。
初心者におすすめのドローンキットとコツ

初心者がドローンを自作する際には、完成キットを使う方法もあります。ここでは、初心者向けドローンキットの特徴や、組み立て・飛行を成功させるためのコツを紹介します。
初心者向けキットの特徴
初心者向けのドローンキットは、必要な部品が一式セットになっているのが特徴です。パーツ選定の悩みが少なく、説明書付きで手順が整理されているので手早く組み立てに取りかかれます。
また、動作保証やサポートが付いている場合もあり、トラブル時に相談できるのも安心です。価格は完成品と比べると安価ですが、個別に部品を買いそろえるよりも割安にまとめられることが多いです。
組み立てのコツと注意点
組み立て作業を成功させるためには、以下のポイントに気をつけましょう。
- ネジやコネクタの締め付け:モーターやプロペラを固定するネジは適度なトルクで締め、緩みがないか確認します。
- 配線の取り回し:ケーブルは結束バンドでまとめ、振動や風圧で抜けないよう固定します。
- 防振対策:振動でジャイロが誤作動しないよう、フライトコントローラーは防振マウント(スポンジやゴム)で取り付けます。
- 飛行前の最終チェック:安全のため機体が正常に動作するか再確認し、工具類を片付けて不要物が無い状態で飛行させましょう。
予算とパーツ選びのポイント
ドローンの自作にはある程度の予算が必要です。以下は一般的なパーツの価格例です。高性能なものほど値段が上がるため、予算と性能のバランスを考慮しましょう。
- フレーム:3,000円~10,000円程度(軽量なカーボン製は高価)。
- モーター:1,500円~5,000円/個(高性能モーターは値が張ります)。
- ESC:1,000円~3,000円/個(耐電流や機能により価格が変わります)。
- フライトコントローラー:3,000円~10,000円(機能が増えると高価)。
- バッテリー:3,000円~8,000円(容量・放電性能で変動)。
- 送受信機セット:5,000円~20,000円(チャンネル数やブランドによる)。
- プロペラ:700円~2,000円/4枚セット(素材や大きさで異なる)。
最初は手頃なパーツで試し、飛行性能に不満が出たら徐々に高性能な部品に交換するのも良い方法です。
ドローン自作の注意点と法規制
ドローンの自作や飛行には法律上の制限や安全面での注意が必要です。特に守らないと他人に危害を与える恐れがあるので、必ずルールを確認しておきましょう。以下、日本国内の主な法規制と安全ポイントを解説します。
日本のドローン飛行法規制の概要
日本では、ドローン(無人航空機)の飛行には航空法や小型無人機等飛行禁止法などが適用されます。飛行ルールとしては、原則として目視できる範囲で飛ばす(目視外飛行は禁止)、高度150m以下で飛行、空港周辺や人・車両の上空、ビルや住宅密集地での飛行は禁止されています。また、夜間飛行は原則禁止で、特別な許可がないと行えません。
機体登録と免許の必要性
2022年から、ドローンの重量が100g以上の場合は国土交通省への機体登録が義務化されました。一方、100g未満の「模型航空機」は航空法の対象外となり登録不要ですが、飛行時の一般的なルールは守る必要があります。また、送信機には技術基準適合証明(技適マーク)が付いているものを使う必要があり、周波数によっては無線局の開局申請やアマチュア無線免許が必要になる場合があります。
安全運航のポイント
安全にドローンを飛行させるため、以下の点に注意しましょう。
- 離陸・着陸時は周囲の人や障害物がないことを確認する。特にホバリング中は制御不能のリスクがあるため慎重に。
- 悪天候(強風や雨天)時の飛行は避ける。機体が想定外の風にあおられると墜落の危険が高まります。
- バッテリー残量に留意し、十分な余裕を持って帰還できるようにする。
- フェイルセーフ機能(通信が途切れた時のモーター停止設定など)が正しく設定されているか確認する。
- 定期的に機体の点検を行い、ネジの緩みや配線のほつれがないか確認する。
これらのルールと安全対策を守りながら、自作ドローンの飛行に挑戦しましょう。特に初めての飛行は人や建物の少ない安全な場所で行い、周囲に十分気を配ってください。
まとめ
以上のポイントを押さえれば、ドローンの自作に必要な知識と準備が整います。この記事で紹介した基本パーツや組み立て手順、ソフトウェア設定、法規制を参考に、自分に合った方法でドローン制作に挑戦しましょう。
初心者の場合は最初に完成キットを利用するのも有効です。最終的には安全第一で、楽しみながら自作ドローンの飛行を体験してください。