リモートIDの導入義務化により、ドローンを飛ばす前には必ず登録記号を書き込む必要があります。特に100g以上の機体や商用利用を行うドローンでは、内蔵型・外付けモジュールの違いやアプリの操作、規制の遵守が不可欠です。本記事では、ドローンのリモートIDを書き込む方法を手順ごとに解説し、設定時の注意点やトラブル対策まで幅広くお伝えします。はじめての方も安心して設定できる内容です。
ドローン リモートID 書き込み 方法の基本概要
リモートIDとは、飛行中ドローンが自身の識別情報や所在位置、機体および離陸地点の位置情報などを無線で発信する機能を指します。これにより、航空法規制当局や周囲の環境安全が確保され、不正飛行の防止や緊急時対応が容易になります。
リモートID機能が必須となるケースや、内蔵型と外付け型の違いを理解することが書き込み方法を選ぶ第一歩です。
リモートID義務化の対象とタイミング
現在、航空法の改正により、100g以上のドローン機体は一部例外を除きリモートIDの搭載またはモジュールによる対応が義務付けられています。
義務化前に登録した機体や特定の用途では免除される場合がありますが、多くの新しい機体は内蔵型または後付け可能なモジュールによって対応が必要です。
内蔵型モジュールと外付けモジュールの違い
内蔵型は機体の製造段階でリモートID機能が組み込まれているタイプで、ファームウェアの更新とアプリを使って書き込む手順が主です。外付けモジュールは別途購入し、既存機体に取り付けて登録記号を設定する必要があります。
どちらも登録番号や製造番号、発信周期、通信方式が規定されており、適切に設定しないと法令違反となる可能性があります。
法的背景と登録システムの関係
登録制度では、ドローンを登録し「登録記号」を取得することが前提です。登録記号は登録システムで発行され、その記号をリモートID機器に書き込むことが求められます。
登録システムには所有機体の一覧表示機能があり、書き込み状態が「済み」になっていることを確認するまで一連の操作を行う必要があります。
ドローン登録及び登録記号の取得手順

まずは登録が必要です。登録とは機体情報を登録システムに入力し、登録記号を取得することを指します。書き込み前にはこの登録が完了していなければなりません。
登録記号は「JU」などから始まる文字列で、製造番号および所有者情報等の確認後に発行されます。
登録システムへの機体情報入力
登録申請では、機体の種別、製造番号(UASID)、所有者情報などを正確に入力します。情報に誤りがあると登録記号が発行されなかったり、後の書き込みでエラーになります。
飛行用途・重量クラスなどが登録時に問われるため、事前に確認可能な資料を手元に用意するとスムーズです。
登録記号の発行と確認方法
登録申請後、登録システムから登録記号が通知されます。この記号を機体に表示する必要がありますが、表示だけでなく、リモートID機器へのデータ入力にも使用されます。
表示の際は機体から簡単に取り外せない箇所、かつ視認しやすい場所を選ぶことが推奨されます。
登録記号表示と法令遵守の意義
表示方法にはシールや刻印、マーカー等がありますが、確認しやすく、剥がれにくい方法を選びます。表示が不適切だと法的に問題となることがあります。
表示は登録記号の実際の発行番号と一致していなければならず、所有者や機種情報との整合性も重要です。
書き込み準備:必要な機材・環境の整備

リモートIDの登録記号を書き込む前には、必要な機材や環境が整っているかを確認することが成功の鍵です。機体の種類やメーカーごとに対応アプリや書き込み方式が異なるため、仕様を予め把握しておく必要があります。
スマートフォンやパソコン、アプリ、接続ケーブル・Bluetooth通信環境などが正しく準備されていることを確認しておきます。
対応アプリの確認とインストール
多くのメーカーは専用のアプリを提供しており、DIPSアプリなど国土交通省のアプリや、メーカー純正アプリでDIPSと連携するものがあります。
機種によってアプリ対応OSが異なり、Android専用のものもあればiOSで非対応のものもありますので、自分の端末のOSを確認してください。
ファームウェアの最新状態への更新
内蔵型リモートID機能を持つドローンでは、ファームウェアが古いと書き込みまたは発信ができないことがあります。
購入後または長期間使用していない機体は、使用前に最新のソフトウェアへアップデートすることが不可欠です。
通信方式(Bluetooth・Wi-Fiなど)の確認と準備
書き込みに使う通信方式には主にBluetooth 5.0やWi-Fiが用いられています。これらが端末と機体双方で通信可能であることを確かめます。
また通信距離や障害物の干渉も影響するため、開けた場所で作業を行うとトラブルが減ります。
モジュールまたは機体へのリモートID書き込み具体手順
ここからは実際の書き込み操作手順を解説します。内蔵型と外付けモジュールで操作が異なりますが、共通点も多いため、まずは流れを把握してから使用機体に応じた作業を行ってください。
DIPS APPを使った書き込み方法(日本での内蔵型/外付け型共通例)
DIPS APP(ドローンポータルアプリ)を使用し、スマートフォンを通じてリモートID機器に登録記号を入力します。
操作の流れは、「所有機体詳細」から機体を選び、「リモートID書込」を選択し、接続可能機体一覧に対象を表示させて、登録記号等を確認後「OK」で実行する形です。
メーカー純正アプリによるインポート操作(例:DJI機体)
DJI社などでは純正アプリの「Fly」アプリなどで、「無人航空機システムリモートID」などの項目から書き込みまたはインポート操作を選択します。
DIPSとの連携やログインが必要で、登録システムへのアクセス承諾などを行うことで登録記号が機体に反映されます。
外付けモジュールの取り付けと書き込み手順
外付けモジュールの場合はまず物理的な装着が必要です。モジュールを機体に固定し、モジュールと機体の電源や通信が確立されていることを確認します。
その後、製造元が指定するアプリを使い、登録記号、離陸地点等の必要な情報を入力し、モジュールに書き込みます。
書き込み後の確認と飛行前のチェックリスト

書き込み操作が完了したら、しっかりと確認し、安全かつ合法に飛行できる状態かをチェックすることが重要です。チェックリストを使うと見落としが減ります。
登録システムでの「書込済」の表示確認
登録システム内で対象機体のステータスが「書込済」となっているかを確認しましょう。
書き込みが未完了のまま飛行すると法律違反となる可能性があり、取締り対象となることがあります。
機体からのリモートID発信確認テスト
通信方式に対応した受信端末を使い、BluetoothやWi-Fi等で発信されている登録記号や位置情報が確認できるかテストします。
標準リモートID機体であれば、離陸前から発信が始まっている場合が多いため、発信タイミングや情報内容に異常がないかチェックします。
機体表示および表示方法の最終確認
登録記号が機体本体に表示されているか、文字が読みやすく、剥がれや損傷がないかを確認します。
表示位置が不適切だったり、見えにくい場所にあると規制対象となることがありますので、視認性の高い場所に配置します。
書き込み時のよくあるトラブルと対処法
書き込み中や飛行前に発生しやすい問題をあらかじめ把握しておくと、迅速に対応できます。故障やソフトウェアの不具合など多くの場合は事前確認で回避できることが多いです。
通信が繋がらない問題(Bluetooth/Wi-Fi)
モジュールと端末が通信できない場合、電源が不安定であるかペアリングが未設定であることがあります。
機体側・端末側双方の電源が十分あるか確認し、通信距離を短くする等の環境改善を行ってください。特に金属部の周囲や強い電波干渉がある場所を避けることが効果的です。
登録記号が認識されないまたは誤った記号が入ってしまう
手入力によるミスが原因となることがあります。登録システムで発行された登録記号とアプリに入力する記号が一致しているか、スペル・大文字/小文字の違いがないか慎重に確認してください。
また、読み取り可能なバーコード・QRコード機能があれば活用すると入力ミスを防げます。
アプリやファームウェアの互換性エラー
機体やモジュールのファームウェア、アプリのバージョンによっては、書き込みや発信機能が正しく動作しないことがあります。
アップデートが提供されているかを製造元に確認し、必要であれば最新バージョンへ更新してください。
海外(アメリカなど)のリモートID制度と比較
日本の制度は機体登録、登録記号の表示および書き込みを中心に構成されていますが、アメリカの制度には標準型機体(Standard Remote ID)やブロードキャストモジュールを使った方式など複数の対応形態があります。制度の違いを理解することで輸入機や国際規格との整合性を確認できます。
FAAによる標準型リモートIDとモジュール型リモートID
アメリカでは、標準型機体がリモートIDを内蔵しているか、標準型ではない機体に対してブロードキャストモジュールを取り付けることで対応する方法があります。この方式では、機体の製造番号やモジュールのシリアル番号が識別子となります。
また、標準型機体にはステッカーラベルの貼付が義務付けられるなどの追加規定があります。
登録宣言(Declaration of Compliance)の仕組み
アメリカでは機体がRemote IDに準拠しているかを示す登録宣言書を取得する必要があります。これは、製造業者が機体またはモジュールが規制要件を満たしていることを証明するものです。
飛行者はこの宣言を確認し、自分の機体が登録済みかどうかを把握することで合法性を判断できます。
適用開始日や罰則規定の比較
アメリカではFAAによるPart 89規則に基づき、2023年9月からリモートIDの使用が義務付けられており、違反すると罰則対象となります。
日本では2022年6月20日の航空法改正以降、リモートID機器の搭載またはモジュールによる対応が法的に義務化されています。
まとめ
ドローンのリモートIDを書き込む方法を理解するには、まず登録制度および登録記号の取得が不可欠です。
次に、内蔵型か外付けモジュールかといった機体の仕様を把握し、それに応じた操作アプリや通信方式を選ぶことが重要です。
また、書き込み後の登録システム上のステータス確認や発信テスト、機体表示の適正化など、飛行前チェックを怠らないようにしてください。
制度の違いに注意すれば、国内外の機体を使う場合でも安心してリモートID設定を行えます。
法律遵守と安全飛行のため、設定手順と注意点をしっかり押さえてから運用を始めましょう。