ドローンの活用範囲が広がる中、目視外飛行を行いたいと考えている方へ。安全性・法律・申請手順など、許可取得にあたって知っておくべき要素は多岐にわたります。この記事では、申請に必要な制度と手続き、機体・操縦者の条件、提出書類や審査基準、注意点までを網羅的に解説します。これを読めば目視外飛行の申請方法について理解を深め、適切に準備できるようになります。
目次
ドローン 目視外飛行 申請 方法 の基本制度と定義
目視外飛行とは、操縦者が自飛行機を肉眼で直接見ることができない飛行形態を指します。近年増えつつあるレベル3以上の無人飛行技術において、この定義は重要度を増しています。この飛行形態を合法的に行うためには、航空法などの関連法令に基づき国からの許可または承認を受けることが原則です。
制度の中では飛行方法や空域の区分、機体の性能、操縦者の技能証明の有無などに応じて複数のレベルやカテゴリーに分けられており、それぞれに異なる申請要件が設けられています。目視外飛行を行う際には、該当するカテゴリーを把握することが出発点となります。
目視外飛行とは何か
目視外飛行とは、操縦者が肉眼または視界を補助する装置を使って直接機体を認識できない状態で飛行させることです。この定義には補助者を含むかどうか、また予め設定されたカメラやセンサーに頼るかどうかが含まれます。安全性の観点から、第三者へのリスクや他航空機との位置関係の把握が問題となります。
カテゴリー及びレベル分け
許可承認制度では、「カテゴリーⅡ飛行」「カテゴリーⅢ飛行」などの区分や「レベル1~4」の分類が用いられています。例えば、レベル3は無人地帯での目視外飛行が含まれ、レベル4は有人地帯での目視外飛行を指します。機体認証や操縦者のライセンスなど、カテゴリー・レベルに応じた要件が設定されています。
関連法令・規制の枠組み
日本では航空法およびその施行規則、さらに小型無人機等飛行禁止法などがドローンの飛行に関わる法律の柱です。これらの法律・規制により、どのような空域・飛行方法が許可や承認を要するかが定められています。法改正が進んでおり、安全基準や運航基盤が整備されてきています。
申請に必要な準備事項と条件

目視外飛行を申請するには、飛行計画の準備だけでなく、操縦者・機体が一定の基準を満たす必要があります。機体の登録・認証や操縦ライセンス、保険など、安全性と信頼性を確保する要件があるため、これらが整っていなければ申請が通らないことがあります。
機体登録と認証
100g以上の無人航空機は登録の義務があり、それに加えて機体認証(第一種・第二種・機能性能等)が求められるケースがあります。特に目視外飛行を補助者なしで行う場合や有人地帯での飛行には、型式証明を受けた機体であることが大きな基準となります。
操縦者の技能証明・ライセンス
操縦者には技能証明の取得が求められる場合があります。特に補助者なしで目視外飛行を行う「レベル3」や「レベル4」では、一等操縦ライセンスや二等操縦ライセンスが要件となることがあります。飛行の安全性を確保するため、操縦技量や知識の証明が不可欠です。
飛行地域・空域の確認
申請前に飛行予定の地域・空域が飛行禁止や制限区域に含まれていないか確認することが重要です。空港周辺、人口集中地区、高度150m以上の空域などは特に規制が厳しいです。また市区町村など地方自治体の条例でも制限が設けられている場合があります。
補助者の有無と目視外補助手段
補助者を配置するかどうかは飛行形態に大きな影響を与えます。補助者なしで目視外飛行を行う場合は、目視外飛行を補助者なしで実施するための承認が必要となり、補助手段(監視装置・通信システム・障害物検知等)の配置が要件となります。
申請手順:申請から承認までの流れ

申請はオンラインシステムを通じて行われることが一般的です。申請書類の準備、内容確認、提出、審査、許可証の交付という流れがあります。申請期間や審査に必要な日数の目安も把握しておくことで、スケジュールに余裕を持って進めることができます。
DIPS2.0による申請システムの利用方法
申請はドローン情報基盤システム(通称 DIPS2.0)を用いてオンラインで行われます。機体登録、操縦者情報登録、飛行許可・承認の申請をこのシステムで一元管理する設計になっており、申請者はまずログインし必要事項を入力して進めます。
申請書類の具体的内容
申請書には飛行予定日時・場所・高度・飛行経路の図・操縦者の氏名・技能証明情報・機体仕様など多数の項目が必要です。特に飛行方法が目視外で補助者なしの場合は、安全確保の具体的な手段を記述する必要があります。追加で資料提出が求められることもあります。
審査・許可・承認の基準
審査では飛行計画の安全性、他航空機や無人航空機の衝突回避、地上へのリスク、操縦者や機体の適格性などがチェックされます。カテゴリーⅡ飛行の基準では、補助者を配置しない目視外飛行や夜間飛行などはより厳格な審査があり、標準マニュアルに適合していることが要求されます。
申請期間の目安と申請先
飛行予定日の10開庁日以上前に申請することが推奨されており、申請内容に不備があれば修正等で時間がかかることがあります。申請先は飛行空域・高さなどに応じて管轄の地方航空局か空港事務所、あるいは国の当局となります。カテゴリーⅢ飛行などは国土交通大臣宛の承認が必要です。
ケース別:目視外飛行が許可されるか・許可不要となる条件
目視外飛行が常に許可対象というわけではなく、条件によっては申請不要、または簡易な手続きで済むこともあります。制度には「無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領」や「航空局標準マニュアル」が用意され、具体的な事例集や条件が公開されています。
レベルごとの許可不要・簡易承認の範囲
機体認証・操縦ライセンスなどの要件を満たしており、かつ飛行が無人地帯で夜ではなく、人・物件から一定距離が確保可能であるといった条件下では、目視外飛行でも飛行毎の許可が不要とされるケースがあります。特にレベル3飛行などがこの範疇です。
航空局標準マニュアルの活用
標準マニュアルを使用することで、許可申請がスムーズになる条件が整います。特定飛行のうち、夜間や目視外、人又は物件から30m以上の距離が確保できる場合など、標準マニュアルに合致する方法を採用できれば申請手続きが簡便化されることがあります。
限度と禁止されるケース
空港周辺・地表等から150mを超える空域・人口集中地区上空・夜間・補助者なし目視外飛行などは、制度改正等の動きがあっても依然として許可が厳しい領域です。これらケースは高度かつリスクの大きい内容とされ、特別な承認が必要となることが多いです。
注意点と承認を得るためのポイント

申請をする際に失敗を防ぐために、具体的な注意点や申請を通すためのベストプラクティスを押さえておくことが重要です。適切に準備・説明することが承認取得の鍵となります。
申請書類の正確性と具体性
飛行計画はできるだけ正確かつ具体的に書くことが重要です。飛行経路の図示や高度設定、リスク対応策、安全確保の方法などは抽象的な表現ではなく、実際にどう行うかを明記することが審査に好影響を与えます。
事前相談やサポート制度の活用
カテゴリーⅡ飛行の中でも特に目視外や補助者なしでの飛行を行う場合は、航空局の事前相談窓口を利用することが推奨されます。過去の事例や最新の運用マニュアルの内容を確認することで、申請の不備を防げます。
申請スケジュールの確保
申請には最低10開庁日前の提出が必要という規定があります。さらに審査のための追加資料提出や修正依頼もあるため、飛行予定日の3〜4週間前には準備を始めることが望ましいです。余裕を持ったスケジューリングが重要です。
安全対策と保険加入
飛行中の衝突対策、障害物回避、通信途絶時の対応など、安全性に関する具体的な対策を準備・説明できることが承認取得には不可欠です。事故時の賠償責任に備えて保険加入も検討すべきです。
申請後・許可取得後に行うべきことと更新について
許可が下りたら飛行の実施だけでなく、飛行計画の周知、実際の運航管理、記録など義務が続きます。また、許可の更新や変更なども要注意です。これを怠ると違反として罰則対象となることがあります。
許可証・承認証の確認と保管
許可得た文書(電子または紙)は正しく保管し、飛行の際に提示できる状態にしておくことが求められます。電子発行が選べる場合も多く、申請システムから閲覧・印刷が可能です。
飛行計画の通知と実施記録
補助者なしの目視外飛行やカテゴリーⅢなどでは、飛行前に飛行内容通知書の提出が必要なケースがあります。さらに飛行後には飛行日誌や運行記録を残し、必要に応じて報告義務を履行する必要があります。
変更・更新申請について
飛行条件を大幅に変更する場合や継続的に飛行を行う場合は、許可・承認内容の更新手続きや改めての申請が必要です。「飛行方法」や「空域」を変えるときには適用されるカテゴリーが変わることがある為、再査定が要求されます。
違反時のリスクと罰則
無許可または誤った申請方法で目視外飛行を行うと、法律違反とされ罰則の対象になります。過料や罰金、また将来的な申請での信用問題にもつながります。安全運航と法令順守は操縦者・申請者にとって最優先事項です。
実務的な活用例と申請タイプの比較
目視外飛行申請には「個別申請」「包括申請」など複数の申請タイプがありますし、用途・目的によっても異なる実務的な準備が必要です。他者の事例を把握することで、自身の申請をより具体的に検討できるようになります。
業務利用 vs 趣味利用での違い
業務としての点検・配送・撮影などの場合は、飛行頻度や公共性が高くなるため、安全対策や契約関係、保険の有無などが厳しく求められます。趣味での利用は条件が比較的緩くなることが多いですが、それでも法令や地元条例は守る必要があります。
個別申請と包括申請の比較
個別申請は特定の日時・場所での飛行ごとに申請する方法であり、飛行範囲や用途が限定されます。包括申請は一定期間内または複数地点で繰り返し飛行する場合にまとめて申請する方法で、手続きの効率化が図れます。申請するカテゴリーに応じて選択が可能です。
活用事例:無人地帯 vs 有人地帯での申請ケース
無人地帯では目視外飛行が比較的許可されやすく、飛行毎の申請が不要な場合もあります。一方で有人地帯での目視外飛行はリスクが大きいため、より高い基準の機体認証・操縦者資格・許可内容が求められ、申請先も国や地方航空機関などへの承認が必要なケースとなります。
まとめ
ドローンの目視外飛行を行うには、まずその飛行形態がどのカテゴリー・レベルに該当するかを把握することが大切です。機体の登録・認証や操縦者の技能証明、安全対策の具体性などが申請可否を左右します。飛行地域や空域、補助者の有無など法令や条例で細かく定められているため、慎重な確認と準備が不可欠です。
申請はオンラインシステムである情報基盤システムを用い、多くの申請タイプで標準マニュアルを活用できますが、実際には書類の内容や安全確保の手段が審査の鍵となります。申請スケジュールに余裕を持ち、申請後の通知・記録・更新にも対応する体制を整えてください。
目視外飛行を合法的、安全に実施することで、ドローン活用の可能性は大きく広がります。正しい知識と準備で承認を得、飛行に挑んでください。